先日、崎山酒造廠さんの酒蔵を見学してきました。崎山酒造廠さんは明治38年に創業された泡盛の酒蔵さんです。沖縄で泡盛を作られています。
泡盛も日本酒同様にお米から作られるのですが、日本のお米で作られる日本酒と違い、泡盛はタイ米を使用します。(一部日本米で作られる泡盛もあります)
タイ米を使う理由は、タイ米が硬質米で、黒麹菌が繁殖しやすいからなのです。そしてお酒といえば重要なのが「水」です。崎山酒造廠さんでは、近くを流れる恩納岳からの伏流水を使います。これは、沖縄では珍しい硬度30〜40の軟水なんです。そのため崎山酒造廠さんの作る泡盛は味が柔らかく・甘く感じられるのだそうです。
このお米とお水を使って、まずはお米を洗い、蒸します。蒸し上がったらお米を冷やして、米麹にしていきます。麹菌をお米に入れてから、18〜25時間ほどかけて麹菌を繁殖させていきます。麹菌から黒麹菌へと過程を進めたら、次に仕込みの段階に入ります。
仕込みにかける時間は長く、約20日かけてもろみにしていきます。ここでも恩納岳から流れる伏流水が使われます。軟水であるこの水と、老麹の相性はとても良く、濃厚でふくよかなもろみが生まれるのです。この仕込みのタンクの中では、麹菌と酵母が合わさってお酒を造り出します。同時に、麹や酵母が作り出す多くの香味成分も一緒に作られるのです。
仕込みが終わったら、常圧蒸留にかけます。この過程でアルコール分と上質のもろみに分けていきます。蒸留前のもろみには、古酒の旨味や風味の形成に関わる微量成分が豊富に含まれています。それらを常圧間接加熱蒸留することで「高級アルコール」「香気成分」「エステル」などを多く含んだ濃厚な泡盛を作っていくのです。
蒸留が終わったら濾過します。崎山酒造廠さんでは、濾過は簡易濾過としてなるべく蒸留後の泡盛の香りや旨味成分を残すようにしています。濾過された後の泡盛をいただいてみたところ、少し角が残るようなところはありましたが、十分美味しい泡盛となっていたことにびっくりしました。このまま出荷できるんじゃないかと思ったくらいです。
濾過が終わればいよいよ熟成です。泡盛は少なくとも6ヶ月以上寝かせてから出荷されます。それ以上寝かせることもあり、三年以上寝かすと古酒(くーす)となるのです。
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